アル中伝説 2

そうこうするうちに、昼間、酒を飲むこともなくなっていったが

毎日の散歩コースに、酒の自動販売機が2台、コンビニエンスストアが1軒あったりして、僕を誘惑してくる。

ある日、散歩の途中、酎ハイを500ミリリットル飲んで、走ってみた。

すると酔いが回って、すごく気持ちがよかった。

本当に気持ちよかったので、また昼間っから飲酒することになる。

朝の散歩で、酎ハイ500ミリリットル1本、昼の散歩で1本

あわせて、1リットル、たまに自動販売機で1本、合計1・5リットル

2リッターの時もあった。

これで体がおかしくならない訳がない。

あんのじょう、しんどくてたまらない。病院に行くと尿から糖が検出され

γGTPが700をこえていた。「このままでは肝硬変か癌になるで」と言われた。

そして1回、酒をやめて1滴も飲まず、週に4回、肝臓の注射を打ち

γGTPも正常値に戻り、ああ良かったと思った。

その時、また悪魔が囁いたのだ。

先生が「お酒は控えとうか?」

僕が「ハイ、1滴も飲んでません」と真面目に答えたら

病院は、大爆笑

「あんた極端やなぁ 適量やったら、お酒飲んでもええで」と笑いながら言われた。

(なんや飲んでもええんかいな)

そして病院に貼ってあるポスターを見ると

日本酒1合、ウイスキーダブルで2杯、ビール500ミリッリトル1本、

酎ハイ350ミリリットル1本、これが適量らしい

そして適量飲むことになった。だが、そんなの長く続く訳がない

酒量をコントロールすることができなくなってくるのだ。

こっちはアル中なのだ。小学生からビールを飲んでいた筋金入りなのだ。

当時、野球をやっていたので、食欲を出して体を大きくするために、

コップ1杯のビールを飲まされていたのだ。

それは高校1年で肩を痛めて、野球をやめるまで続いた。

後日談になるが、オヤジが、「あれは失敗やったなぁ」と後悔していた。

高校3年生になる頃には、友達の家でウイスキーのボトルを半分ぐらい開けて

ベロベロになって、友達のお母さんに説教されたこともある。

話を元に戻そう

病院では6週間に1回の割合で血液検査をするのだが、

血糖値よりもγGTPのほうが気になって仕方なかった。

γGTPの数値は良かったり、悪かったり、むしろ悪かった方が多かったように思う。

病院の先生も半分諦めていたように感じた。

再びアル中伝説が始まることになる。

つづく…